2006年8月19日

今年は仕事の関係で忙しく、ドイツには珍しく休暇が取れなかったので、ちょっとくたびれ気味です。ギュンター・グラスの自伝「玉ねぎの皮を剥きながら」が、発売日を早めて売り出されていたので、昨日早速買ってきて50ページ読みました。「ブリキの太鼓」に比べると、ドキュメンタリー風なので、読みやすいですが、少年時代の思い出話などを書いているところを読むと、ギュンター・グラスも年をとったなあという感じがします。ただ9月1日発売を、武装親衛隊の騒ぎのせいで前倒しして発売する準備がきちんと整っているなど、ちょっとよくできすぎていて、「本の宣伝のために今告白したのだ」という意地悪な一部の人々の解釈も、なんとなく説得力があるような気がしてきました。だとしたら、ますますギュンター・グラスの見識が疑われます。

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ドイツは7月に7週間にわたり異常熱波に襲われましたが、8月に入ってからは異常低温で、昼間でも気温が15度くらいにしかならない日が続きました。朝方には暖房をつけるほど寒い日がありました。今日はひさしぶりの見事な青空。でも明日からはまた気温が急降下するそうです。

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ドイツの電車で発見された2個の手製爆弾について、ドイツの連邦検察庁は、イスラム系テロリストによる犯行という疑いを強め、監視ビデオが撮影した容疑者の映像を公開しました。飛行機も電車も危ない時代、やはり家のベランダで日光浴をしているのが、いちばん安全?

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新刊「ドイツ病に学ぶ」の見本がようやく刷り上りました。来週の25日に発売されます。本というのは、ゲラ刷りの校正が終わると完全に手を離れてしまうので、仕事は終わったという感じがします。しかも私が書く本は何万部も売れる類のものではないし、あまり反響もないので本を書き終わってしまうと、充実感がなくなってしまいます。というわけで、ドイツへ来てから8冊目の本の執筆を昨日始めました。常に書いていないと気が済まないというのは、言葉を変えて言えば自転車操業ですから、困ったものです。